「神聖なるプレイリスト」第四回。
今回プレイリストを構築したアーティストは、「SADS(サッズ)」。
個人的には、少年期から青年期にかけて非常に好んで聴いていたロックバンドである。
堕落、退廃といったワードがしっくりくる曲調の作品が多く、怠惰で中毒性の高いメロディーラインを舌で舐め回すようなボーカルの淫靡さが特徴。
では、再生。
- Welcome to my BABYLON(アルバム「BABYLON」(iTunesから入手)収録曲)
- NIGHTMARE(アルバム「GREATEST HITS -BEST OF 5 YEARS-」収録曲)
- See A Pink Thin Cellophane(アルバム「THE ROSE GOD GAVE ME」(iTunesから入手)収録曲)
- SATAN(アルバム「THE 7 DEADLY SINS」(iTunesから入手)収録曲)
- ID POP(mix #2)(アルバム「13」(iTunesから入手)収録曲)
- 忘却の空(アルバム「BABYLON」収録曲)
- STUCK LIFE(アルバム「BABYLON」収録曲)
- Conclusion of my BABYLON(アルバム「BABYLON」収録曲)
- FAIRY’S MALICE(アルバム「13」収録曲)
- ロザリオと薔薇(アルバム「THE ROSE GOD GAVE ME」収録曲)
13/sads[CD]【返品種別A】
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一曲目「Welcome to my BABYLON」。
まずはSEから。
まさにバビロンと呼ぶに相応しく、宗教的でクローズドな原初の雰囲気を漂わせるリズムと共に、聴者を非現実的な意識状態へと誘う。
二曲目「NIGHTMARE」。
SE後の実質的な一曲目は悪夢で始まる。
黒いようでいて鮮やか、リビドーの疾走を描いた一枚の”堕落画”のような曲。
アルバム「13」(iTunesから入手)にも同曲が収録されているが、本プレイリストには「GREATEST HITS -BEST OF 5 YEARS-」収録バージョンが合っている。
三曲目「See A Pink Thin Cellophane」。
ナイトメアと”fuckin’ routine life”から逃れるための短絡的な衝動として、この曲をここに配置。
四曲目「SATAN」。
悪魔降臨。
当ブランドにおいても切り離すことができない存在である「悪魔」。
ちなみに、本プレイリストの個人的な世界観としては、my BABYLONの中に潜む悪魔として、ここでのサタンをバビロンの守護神とされている「マルドゥク」であると捉える。
五曲目「ID POP(mix #2)」。
ここで、少し世界観が転調するが、「SATAN」の影響をポジティブに受けての変化でもあり、この流れは意外と聴き心地が良い。
軽快なコード進行で展開されるシンプルなロックナンバー。
六曲目「忘却の空」。
アコースティックギター主体で、”乾いた風”で始まる通り、非常に乾燥した印象の曲で、何かとウェットなイメージの強いSADSにおいては特殊な曲であると思う。
しかしながら、曲に閉じ込められたパッションは、その高い熱量で聴く者を”ストーリー”の中へと呼び戻す。
七曲目「STUCK LIFE」。
ロックンロールを直球で投げつけたような曲。
個人レベルの歴史上に生じる温故知新とでも言うべきか、または栄枯盛衰といった言葉をよぎらせる曲でもある。
八曲目「Conclusion of my BABYLON」。
SE曲。
古代のメソポタミア神話を蘇らせるような神秘的な旋律は、灼熱のバビロンを漂う蜃気楼のごとく、脳内に茹る汗を鎮める。
ちなみに、私がこれまでに聴いてきた様々なアーティストのSE曲の中で、この「Conclusion of my BABYLON」は、未だトップに君臨している。
九曲目「FAIRY’S MALICE」。
前曲の「Conclusion」という概念の流れを汲み、”天国と地獄 どうせ紙一重”という「結論」の下、「フェアリーの悪意」を半ば投げやりに受け入れる。
十曲目「ロザリオと薔薇」。
“ロザリオと薔薇”という表題の字面が素晴らしく端麗。
憂鬱な曲調に乗せ、出口のない運命を彷徨いながら本プレイリストはエンドロールを迎えるが、この終わり方もSADSらしいと思える。
以上、全体としては、アルバム「BABYLON」の世界観を主体とする熱帯地域テイストのプレイリストとなった。
ということで、今回のプレイリストも再生終了としよう。
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著/臣咲貴王