「神聖なるプレイリスト」第二回。
今回は、「the GazettE(ガゼット)」のオリジナルプレイリストをセッティング。
ハードコアやメタル要素を含む音楽性を比較的に好む私個人としては、ヴィジュアル系界隈においてその幅広い音楽センスとアート意識の高さに影響を受けたロックバンドである。
比較的重めの世界観を中核に据えたプレイリストとなるが、全体の流れを汲んで要所に抜けのある曲も織り交ぜた。
では再生。
- DOGMA(アルバム「DOGMA」(iTunesから入手)収録曲)
- 歪(アルバム「DIVISION」(iTunesから入手)収録曲)
- DERANGEMENT(アルバム「DIVISION」収録曲)
- DEVOURING ONE ANOTHER(アルバム「BEAUTIFUL DEFORMITY」(iTunesから入手)収録曲)
- BIZARRE(アルバム「DOGMA」収録曲)
- 13STAIRS[−]1(アルバム「DIM」(iTunesから入手)収録曲)
- THE INVISIBLE WALL(アルバム「DIM」収録曲)
- UNTITLED(アルバム「TOXIC」(iTunesから入手)収録曲)
- 「感触」(アルバム「DIM」収録曲)
- IN THE MIDDLE OF CHAOS(アルバム「DIM」収録曲)
TOXIC [ THE GAZETTE ]
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一曲目、「DOGMA」。
黒魔術的な教団儀式の始まりを思わせる重苦しい雰囲気を纏う曲。
ハードコアな曲群で構成されたコンセプチュアルアルバム「DOGMA」(iTunesから入手)の収録曲であり、同アルバムの中心核を担う曲である。
二曲目、「歪」。
本プレイリストのストーリー性を構築するにあたって、この曲には一曲目の「DOGMA」に辿り着いた顛末を思わせる回想シーンのような機能を持たせた。
続く三曲目は、「DERANGEMENT」。
この曲も回想の続きであり、「derangement」は「錯乱」の意。
本プレイリストのストーリーにおける時間軸としては、二曲目、三曲目、一曲目の順番となる。
そして、続く四曲目は、「DEVOURING ONE ANOTHER」。
曲の醸す排他的な感情になぞらえて、貪り食うようにドグマに陶酔していく様として捉えている。
五曲目、「BIZARRE」。
「bizarre」は、「奇妙な、異様な」といった意味の形容詞。
“形成しきらぬ人格”故に陥った他者の罠(教義)の中で溺れる様子を表す。
六曲目、「13STAIRS[−]1」。
処刑を連想させる十三階段を昇りきるまであと一段、という状況における葛藤と恐怖心を表していると解釈している。
時間軸に当てはめるならば、本プレイリストの最後から二番目の曲となるだろうか。
七曲目、「THE INVISIBLE WALL」。
“瓦礫の下で真実がのたうち回る絵は何よりも深い”の部分のギターパートは私の大好物である。
厭世的な世界観で、あらゆる思想を憂い嘆く。
前曲における十三階段の、十二段目と十三段目の間に立ちはだかる弱さとしての「見えない壁」の役割を持たせている。
八曲目、「UNTITLED」。
滴る水滴のような軽やかさを感じるバラード曲。
自責を問う形で前曲に続いて機能する曲。
九曲目、「「感触」」。
前曲と次曲の繋ぎとして、ここへSE曲を挟んだ。
六曲目「13STAIRS[−]1」の処刑台へと意識が舞い戻るように、アウトロが徐々にフェードアウトしていく。
ラストソング、十曲目は「IN THE MIDDLE OF CHAOS」。
ここへきて、世界観の違ったキャッチーなロックナンバーとなるが、本プレイリストにおいては圧倒的な後悔の念を表現しており、戻したくとも戻せない過失に対する現実逃避や言い訳を含むものとして捉えた。
以上。
プレイリスト全体の流れとしては、現実の中で藻掻き苦しんだ末に辿り着いたドグマ(教義)の中を彷徨い、それによってあらゆる環境が崩壊し変化することで、最終的には元の場所へ戻ってくる(現実には戻れない)というニュアンスに構成してある。
毎日のルーティンに支配されがちな人間であるが、日々の体験を深く内観することによって、繰り返しの中に変化及び成長のための突破口を見いだすことが、人生においては必要であるといったある種の哲学とそこに付きまとう皮肉なる“Unchangeable rotten root”を反映させたプレイリストでもある。
ということで、今回のプレイリストも再生済みとしよう。
以下はブログランキング。
著/臣咲貴王