我々の意識下に構築される悪魔という名の概念に向けて、xCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVILは機能を果たす。
そのブランドコンセプトのより深淵なる部分を理解していただくために、当ブランドが示す金字塔的貴金属理論について、陰編、陽編の2回に亘って解説していきたい。
今回は「陰編」。
ゴールド(K18)とシルバー(Silver925)を作品素材として扱う当ブランド渾身の世界観である「for DEVIL」は、2016年より展開している現行ラインである。
そのメインマテリアルの片割れであるシルバーの表面全てに硫化処理(燻し加工)を施した「硫化銀」としてのSilver925は、黒色の性質を持つことになる。
つまり、色彩学において全ての色(光)を吸収するその暗色の性質に目をつけ、空間に充満するエネルギー(光)を保存する容器のような役割を持たせているのだ。
全ての光を反射させる性格を示す鏡面に磨き上げられたシルバーとは異なり、黒く燻された硫化銀は空間を漂う膨大な光エネルギーを捕獲し、より有益で強大なものへと変革させるための第一ステップとしての機能を果たすべく、当ブランドの物質的領域における二分の一を担う重要な貴金属なのである。
また、当ブランドにおけるシルバーは陰陽における「陰」の側面を司っており、頭蓋骨(スカル)などの退廃的な造形にみられるブランドの視覚的世界観の中心を担っている。
しかしながら、当ブランドxCROWxNILxTAILxCOCKx(クロウニルテイルコック)の本質は、単に陰なる事象にのみフォーカスを当てるのではなく、また、反対に陽へ向かおうとするポジティブな心理を拠り所としているわけでも決してない。
それら陰陽の二面性を分離させて考えるのではなく、統合させることによって生じる善とも悪ともとれぬ巨大な精神芸術とでも呼ぶべきある種の教義をコンセプトとして活動しているのである。
シルバーというマテリアルが放つ潔白な輝かしさ対しては、大半のシルバーアクセサリー、彫金作家が拘るところであるだろう。
磨き上げられた銀は、光反射率において他の金属の追随を許さない。
その輝きの全面を燻して黒く塗り潰すという行為は、ある意味これまでの歴史や形式ばった業界からの逸脱、脱却の決意を表明するものでもある。
さらに、その硫化銀に金(ゴールド)を掛け合わせることによって、エネルギーの昇華とでも呼ぶべき独自の理論を展開するxCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVILは、ブランドの創造責任者である私個人が、長年追求してきたオリジナリティの結晶であるのだ。
燻し液によって、闇で光を削るように視界から反射を消し去る行為は、銀に対する冒涜ともとれるだろう。
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そしてそれは、光によって齎されている我々の暮らす三次元的物質世界に対する疑問の提議でもあり、常識を疑う新たな目線を持つことによって、内面的視野を広げるということも意味している。
例えば、我々が認識している宇宙空間における物質の密度など宇宙全体の1パーセントにすら満たない。
そのような矮小な物質世界を本質として定めた固定観念の牢獄から抜け出し、より大きな理(ことわり)に気付くためのトリガーになりはしないだろうか。
xCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVIL(公式ウェブサイト)の世界観が。
尚、次回記事では「陽編」として、硫化銀によって保存されたエネルギーを昇華させ得るマテリアルである「ゴールド」が、その役割をどのように果たすかについて具体的に示したいと思う。
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著/臣咲貴王