シルバー製品が空気中の硫化水素と反応することによって、表面に黒変が生じる化学変化である「硫化(りゅうか)」。
硫化という現象が一般的ではないため、世間では表面が黒ずんだシルバーに対して、「酸化」や「錆」といった現象に原因を転化して片付けることも多いが、銀製品の黒変の原因は酸化でも錆の発生でもなく硫化なのである。
硫化したシルバーは「硫化銀(Ⅰ) | りゅうかぎん いち」と呼ばれ、また、天然で産出する硫化銀は「輝銀鉱(きぎんこう)」などと呼ばれる。
尚、硫化銀の化学式はAg2Sで表される。
さて、当ブランドxCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVIL公式ウェブサイトの「マテリアル | 金と銀」(公式ウェブサイト)のページにブランド製品の経年変化についてのコンテンツを追記した。
当ブランドでは、使用素材であるシルバー(Silver925)の表面全体に意図的な黒変を生じさせるために、専用溶液を用いた燻し(いぶし)を施している。
黒化液(こっかえき) 50cc
価格:494円(税込、送料別) (2018/5/12時点)
その理由については、過去に投稿した「七大使命解説「第四章 -真実のインプット-」」の記事を参照していただきたいが、今回は、全表面を黒く燻した当ブランドのシルバーについても、経年による表面の状態変化が起こるということについて述べていく。
公式ウェブサイトにも同じ画像を載せてあるが、上の画像は、当ブランド製品である悪魔的スカルリング「BINAH」を用いて、完成直後と三ヶ月使用後の同一製品の経年変化についての経過を観察した結果である。
御覧の通り、右側の三ヶ月着用後のものは、未使用の同一製品と比較して表面全体がより黒く変化していることがわかる。(ちなみに、三ヶ月着用の製品は私が私物として着用しているものである。)
これは、日々の着用による摩耗(衣服に擦れることなどによる自然な研磨)や燻しの上に自然な硫化反応が上塗りされることによって生じた変化であると推測できる。
この結果は、硫化銀を光の保存容器として捉える当ブランドにとっては都合の良い結果であるといえる。
黒ければ黒いほど光の吸収率は高まるので、長期の着用によって、よりエネルギーを生み出す力が大きくなるという理論が成り立つからである。
鏡面に磨かれた一般のシルバーアクセサリーにとっては、硫化という表面の黒変現象は「悪」であると捉えられるが、独自のコンセプトを体現するために全表面を燻した当ブランドのシルバーにおいてはこの悪が「善」へと転じるのである。
この事実は、まさに相反する概念の融合、つまりは善悪という陰陽の二元性を統合した非二元的な抽象的理念を物理的現実世界へ具現できているということを証明する一つの指標になるのではなかろうか。
ということで、当ブランド製品の経年変化についての検証報告は以上とする。
以下はブログランキング。
賛助のクリックに感謝いたします。
著/臣咲貴王