年始めの記事として、昨年制作していたオーダーメイドのブライダルネックレスを載せておきたい。
訳あって中々お渡しできなかった品なのだが、ようやく当人の手元に渡ったのでその全貌を公開する。
ブライダルネックレス全容
タイトル通り、本作はブライダル案件として制作した作品。
使用地金は18金(K18イエローゴールド)、そして、センターストーンにはブラジル産のアレキサンドライト(0.16カラット/3.9×3ミリメートル)を使用している。
アレキサンドライトとは
アレキサンドライトは、6月の誕生石のひとつ。
特筆すべきはその変色効果であり、太陽光や蛍光灯の青緑系スペクトルの強い明かりの下では青緑系統の色に、そして、蝋燭や白熱灯など赤色系スペクトルの強い明かりの下では赤色系統の色に見えるという非常に珍しい宝石である。
K18部分
チェーンに関しては、既製のK18アズキチェーンを使用しており、私が無から創造したものではないが、バチカンを含むペンダントトップ部分は全てロストワックスによるハンドメイドとなる。
ブライダルらしさとデザイン
デザインに関してはほぼ一任されていたので、シンプルさを重視しつつオリジナリティを感じさせる造形を目指して制作した。
具体的には、花を想起させるような有機的な輪郭をメインのアイデアとし、ウェディングというイメージから女性らしさと柔らかい印象を立体的に抽出したデザインとなっている。
尚、センターストーンであるアレキサンドライトの石留めについては、オーソドックスな爪留めを採用した。
また、ジュエリーケースに関してもオリジナル仕様となっており、既製品に自らデザインを加えて華やかさを演出している。
オーダーメイドの難しさを再確認
私が当ブランドxCROWxNILxTAILxCOCKxの創造責任者として普段制作するのは、やれスカルやら頭蓋骨やら髑髏(どくろ)やらで、ブライダルとは正反対のジャンルであるのだが、X JAPANがCrucify My Loveを奏でるが如くこのような作品を制作することも可能である。
現在、xCROWxNILxTAILxCOCKxでは積極的にフルオーダーの依頼を受けているわけではないのだが、稀にこういった作品制作に携わることは非常に勉強になる。
近年における金価格高騰との戦い
近年、金価格が高値を維持していることから、何を制作するにしても原価計算の時点で二の足を踏んでしまいがちな状況にある。
メインマテリアルの銀もそこそこの高値となっている。
新作制作にしても、当ブランドでは重量感のある作品が多い上に18金も使用しているが故、以前と比較するとどうしても制作原価が高くついてしまうのだ。
結果として販売価格も。
悩み。
2023年になってしまったが、まだまだ戦い続けなければ。
私は一度たりとも諦めていないのだから。
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著/臣咲貴王