ヴィーガンとエンゲル係数の皮肉な関係性

ヴィーガンとエンゲル係数の皮肉な関係性

ベジタリアンは食費がかかる。

正確に言うと、ヴィーガン(完全菜食主義者)の食費である。

 

地球上における税制をはじめ、我々が生まれ落ちたこの世界において、赤い血の流れる一般庶民が大富豪となる反社会的行為は許されていないのが現実だと言える。

今や拝金思想の染み付いた我々被支配層の庶民は、無慈悲な勤労の義務を背負いながら、味わい深き頭蓋に焼き上げられるその日までこの屈辱を味わい続けるのだろうかと、些か(いささか)ペシミズム濃度の増している今日この頃。

不本意ながら庶民である最近の私は、この悲壮な人生において余剰資産を圧倒的に増やす必要性があると強く感じ、半年ほど前から継続して食費を節約しており、本記事はその経過の備忘録となる。

 

前提として、収入に対する支出を少なく抑えられる者が金持ちと呼ばれるに相応しい。

よって、例え年間所得が一億円あろうと一億円以上消費してしまう者は貧乏人なのである。

前者となるためには、まず支出をこれまで以上に抑えることが重要なのであり、その重要性を心底実感したことが、今回の家計における食費、つまりエンゲル係数の継続的削減を目的とした節約の実行へと結びつく。

また、意識的に支出を抑えれば、節約前の生活水準を維持しようとする無意識及び潜在意識の働きによって収入を増やすためのエネルギーや創造性が生み出されるという理論を実験するためでもある。

 

先にヴィーガンは食費がかかると言ったが、私は動物性食品を一切摂取しないヴィーガンであり(※例外あり)、実際に約三年前に完全菜食の食生活を始めてからというもの食費が暴騰してしまっていた事実がある。

ヴィーガンとなった近年の食費をiPhone上の家計簿アプリケーションから振り返ってみると、一ヶ月におよそ4万円から5万円という数字。

ちなみに、一日一食が基本(週に二回は二食)で、飲料(ミネラルウォーター)代込みの数字である。

一ヶ月5千円の食費でサバイバルしていた十代後半の愚かなる時代と比較すると約10倍の大暴騰。

堕落であるとすら捉えられる数字であるが、無添加食品をはじめとする安全性の高い食品は相対的に価格が高い傾向にあり、これは菜食主義者やマクロビオティックの思想に共感する者にとっての巨大なジレンマであると思う。

安かろう悪かろうの粗悪な化学食品をありがたがって貪っていた過去の無知な自分の方が余剰資産が多かったという事実も相まって、その憤りは計り知れない。

 

しかしながら、ヴィーガンにもいくつかのステージがあると考えており、中間ステージが最もエンゲル係数を食うと考えられる。

食品添加物に寛容なベジタリアン初級ステージにおいて、菜食者の食の選択肢は多大であり、安価な食品も多数用意されている。

そして、マクロビオティックの信念が混ざり、人間を家畜同様にみなす思考原理から生み出された食品添加物に対する敵対心が生まれる無添加原理主義の中間ステージにおいて、我々が選択する食品の価格は高くなる傾向にあるのだ。

最終ステージに突入し、無農薬の生野菜だけをかじっていれば、食費はウサギレベルで抑えられるのだが、私はまだその領域には達していない。

また、現在は副業で肉体労働による収入も得ているので、必要摂取カロリーの観点から考えると、ウサギになるには圧倒的な霊性と心身を養う精進が必要となるだろう。

 

尚、エンゲル係数の削減に関して、具体的には、一ヶ月3万円の食費という数字を目標に掲げている。

ここ数年の間、4万円から5万円付近で推移していた食費を25パーセントから40パーセントほど削減することとなるので、はじめのうちは過去の習慣に引っ張られて我慢という前頭葉運動を繰り返すこととなるが、それが習慣化して節約していることが当たり前の状態になると自然と節約分の資産が増えていくシステムが成熟するだろう。

収入が減らない限りは。

年間で考えると、今の節約生活を一年継続すると15万円ほど余剰資産が増える計算となる。

非常にちっぽけな数字ではあるが、その余剰資金の一部を投資に回すなどすれば、将来的な資産形成を促す結果にもなり、地の底を這うような現在の屈辱を笑い飛ばせる未来に対して希望的観測を見いだすことができるのである。

 

今現在の経過としては、一食毎の品目を減らすなどして、今のところこの目標を凡そ(おおよそ)順調にクリアし続けている。

 

また、今年12月から、副業である肉体労働における日給が上がる決定がなされており、この変化は、余剰金増幅という目的意識が潜在意識に浸透した結果であると捉えても良いのではなかろうか。

このことから、人が真に信じていいものは整合性ある自己の信念だけであり、それによって脳内に形成される強い臨場感が目の前の世界を変化させ得るというイデオロギーは実に本質的であると思った。

他者の天秤に惑わされぬよう、弛まぬ(たゆまぬ)信念で苦境を裂かんと願うばかりだ。

 

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著/臣咲貴王



2 thoughts on “ヴィーガンとエンゲル係数の皮肉な関係性”

  1. 記事がとてもおもしろいです。硬質な文章も魅力あります。貴殿の孤高な生き方に憧れます。菜食主義にも興味がでました。普段どんな食事をしてるのか、メニュー紹介などもお願いします。

Kiou OMIZAKI へ返信する コメントをキャンセル

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