王の鼻舌 #17「PARTAGAS SERIE D No.6 | パルタガス セリーD No.6」

PARTAGAS SERIE D No.6 パルタガス セリーD No.6

「王の鼻舌」第十七回。

 

今回のプレミアムシガーは、「PARTAGAS SERIE D No.6 | パルタガス セリーD No.6」。

選りすぐりのハバノスの中から、個人的な一つの節目として選んだ一本。

 

 

ハバノスらしい上品さを纏ったラッパーの香りに迎えられつつ、着火。

 

好感のもてる第一印象。

ややパサパサした煙触りと蜜のようにしっとりとした甘さとの対比が面白い。

 

少し吸い進めると、時折旨味も混じりはじめるが、ベースとしては甘さが際立っており、個人的にはかなり好みな喫味である。

全体的に「MONTECRISTO MEDIA CORONAS | モンテクリスト メディア コロナス」に近い印象かもしれない。

 

息吹の火種を連れて灰へと回帰する葉巻の姿が、いつもより感慨深く感知される。

 

灰を折る。

断面からとてつもなく濃密な甘さが拡散される。

 

中盤を過ぎ、ブラックペッパーのようなスパイシーさを感じる場面もあったが、ベースとしての喫味における顕著な変化はあまり感じられない。

しかしながら、美味しい。

 

後半に差し掛かり、黒胡椒の辛味が若干目立ち始めるが、舌への刺激はその限りではなく非常にマイルド。

 

終盤。

その紫煙はホワイトな印象の優しい甘さへと変貌。

 

60分強程度の喫煙時間で投了となった。

 

5月17日(Thu.)。

父方祖父の訃報を受け、葬儀諸々のため数日間実家の岡山へ戻っていた。

今回の葉巻は、灰と化す無常の理に思い出を重ね合わせ、個人的に感慨深い一本として同月20日に火を灯したものである。

パルタガス セリーD No.6の放った香りは、意図の有無に関わらず変化の多かったこの一ヶ月間の象徴として、深く記憶に刻み込まれた。

 

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著/臣咲貴王

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