私が個人で運営しているゴールド&シルバーアクセサリーブランドである「xCROWxNLIxTAILxCOCKx(クロウニルテイルコック)」というブランド名、屋号について、このブログでも触れておく必要がある。
この記事は、これまで別の場で述べてきたブランド名についての解説として最も詳細に彩られた灰汁の強い内容であるため、二章に亘って説明してゆこうと思う。
今回は第一章。
xCROWxNLIxTAILxCOCKxという言葉は言うまでもなく造語である。
CROW、NIL、TAIL、COCKの4つの単語をそれぞれxで1つに繋ぎ合わせた造語で、表面的な字面だけではこの言霊に込められた意味の深奥までは到底お伝えすることはできないだろう。
この話をするにはまず、西暦2006年にまで遡る必要がある…
当時の私は、「×黒×鬼×帝×國×(くろおにていこく)」という屋号のブランドを旗上げし、彫金作家としての活動に身を置いていた。
その頃に吐き出していた作品のクオリティは、近年の自分にしてみればハイクオリティと呼べる代物では決してなく、実制作の経験を積み上げるに従って、商品として創り上げた作品と脳内に思い描く理想とする造形との間にジレンマが生じ、活動後期においては過去の作品を商品として扱うことに対して違和感を感じ始めていた。
そういった期間を経て、西暦2011年、技術向上の末に完成した一つのスカルリングが、神秘的スカルリング「IESOD(イェソド)」、18金スカルリング「NETZACH(ネツァク)」の原型であった。
過去のものとは一線を画して高いクオリティに仕上がったこのスカルリングは、×黒×鬼×帝×國×の名義で販売するには相応しい代物ではなかった。
これをきっかけに、×黒×鬼×帝×國×の活動を停止し、新設したブランドが現在のxCROWxNLIxTAILxCOCKxである。
結論から伝えると、xCROWxNLIxTAILxCOCKx(クロウニルテイルコック)という名は×黒×鬼×帝×國×(クロオニテイコク)の空耳英語で構成されている。
クロオニテイコク…、クロウニテイコク…、クロウニルテイコック…、クロウニルテイルコックといった具合に。
こうして、私が20歳の頃にインパクト重視の末に名付けた×黒×鬼×帝×國×という和名の屋号が、偶然にも英語とシンクロして生まれた名がxCROWxNLIxTAILxCOCKxであるのだが、これから述べるようにこの名はただの空耳英語にとどまるものではなく、ブランド運営における事業理念として重要な意味を見出すことができる名称であったのだ。
「神秘的マテリアルと退廃的世界観のケミストリー」というサブタイトルの下に設立したxCROWxNLIxTAILxCOCKx。
金や銀といった、古代から安定した価値を持ち続ける貴金属である神秘的マテリアル。
そして、現代社会の腐敗構造に対する疑問符の投下を象徴する退廃的世界観。
この二つの概念を融合させて、この世に自らの世界観を発信することが当ブランドの主要なコンセプトとなっていることを前提とすると、xCROWxNLIxTAILxCOCKxという名称の完全性をより理解しやすくなるだろう。
それぞれの構成要素が示す意味について…
xCROWxNLIxTAILxCOCKxの中の「CROW」、これは「カラス」で、黒色をイメージさせる単語だ。
精神世界の中に発生する退廃的な世界観の色はこのCROWに当てはめることができる。
次に、「NIL」は「無、ゼロ」を意味し、無から連想する色は白。
これは、物質世界に存在する希少なゴールドやシルバーの神秘的なマテリアルの神聖なイメージに当てはまる。
そして、「TAIL」と「COCK」は混ぜ合わせると「混合酒」を表す「COCKTAIL(カクテル)」となる。
これらを統合すると、「黒と白の融合」、つまり「神秘的マテリアルと退廃的世界観のケミストリー」というブランドコンセプトを表す実に理にかなった言霊となるのだ。
ちなみに、ケミストリーは「相性」という意味で使っている。
少し話が逸れるが、この世に存在するあらゆる概念は、善悪、優劣などの相反、いわゆる陰陽(おんみょう)の関係で表すことができる。
地上に生かされる愚かな我々知的生命体にとって、この陰陽の概念は個人や集団によって相違があり、生活の中でそれを原因としてあらゆる問題が起きたり、移ろう世界情勢の中で情報操作に染め上げられた相違の下に利用されて巨大な陰謀に巻き込まれているということも考えられる。
互いの正義と正義を争わせる戦争などは良い例で、認識の違いによって前者にとっての善が後者にとっての悪となり、前者にとっての悪が後者にとっての善となる場合だ。
大小問わずそういった危険性を回避するためにも、我々は相反する概念を一つに包括する高い視点を持ちうる概念についてより広い知識をもってしてイメージすべきであると思う。
黒と白の融合を意味するxCROWxNLIxTAILxCOCKxにはそのような意味も込められており、このブランドは単にアクセサリーブランドとしての存在意義にとどまることなく、人々が生きる上での命題としても君臨し続ける巨大な概念の象徴であると考えることができるのだ。
xCROWxNLIxTAILxCOCKxの基本構造については上記に述べた通りとなっているのだが、もう一歩踏み込んだところにも運命めいた深い意味が隠されているという話を次回はしたいと思う。
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著/臣咲貴王