王の鼻舌 #14「H.UPMAN HALF CORONAS | H.アップマン ハーフ コロナス」

H.UPMAN HALF CORONAS H.アップマン ハーフコロナス

「王の鼻舌」第十四回。

 

今回は、前回の記事で紹介したハバノスの内の一本であるキューバ産のプレミアムシガー「H.UPMAN HALF CORONAS | H.アップマン ハーフ コロナス」。

尚、H.アップマンは初挑戦の銘柄である。

 

 

ラッパーの香りは、グリーン掛かった青臭さや垢抜けなさを感じる。

 

着火。

ドローが軽めな個体で、ノーストレスな吸い心地。

喫味の第一印象としては、同じハバノスの「パンチ | PUNCH PUNCH-PUNCH」に近いかもしれない。

 

しかしながら、一切癖がない。

フットから抜ける紫煙の甘さに満たされる。

舌に残った煙の足跡を探ると、より柔らかな甘さが感じられる。

 

時折、バニラのように直接的な甘さが香り、時間経過と共にその拙い誘惑が板に付いてくる。

 

後半、ペッパー系の気品のある香りも混じる。

そして、濃厚さが増してくる。

成熟したアロマが存在感を放つ。

 

紅茶が非常にマッチする。

 

喫煙時間約60分。

吸い応えも軽く、灰汁がない。

まるで清純派アイドルの成長を見守るかのようなひと時だった。

根元まで吸おうと深追いすると、雑味が出てきて毒づくあたりも憎めない。

 

突き抜けるようなアイデンティティーは感じないが、何より欠点が見当たらない。

充分にストライク圏内の葉巻である。

また、ハーフコロナやペティコロナ辺りのサイズの葉巻は、個人的に最も吸いやすいサイズであると再認識した一本だった。

 

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著/臣咲貴王

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