フルオーダー逆十字ペンダントトップの創造報告

前記事の悪魔崇拝者を題材としたフルオーダーリングと時を同じくして、対で承ったフルオーダーペンダントトップについてもここに報告しておく。

フルオーダーペンダントトップ 逆十字 Silver925

 

ご依頼内容は以下であった。

  • シルバー925製の逆さ十字ペンダント(トップのみ)
  • 古びた印象を受けるような全体に燻しを残した仕上げ
  • 丸みを排した無骨なもの
  • 表面は無地
  • 裏側には十字架の横部分に沿って「xCROWxNILxTAILxCOCKx」の文字彫刻
  • 手にしたときに存在感を感じるような厚みを持たせる
  • サイズは70ミリ×36ミリ程度

 

以上の内容から出来あがった逆さ十字ペンダントトップのワックス原型がこちらである。

フルオーダーペンダントトップ 逆十字 ワックス原型

 

歳月を経てひび割れた十字の石碑、というイメージ。

このダメージクラックについてはランダムに彫ったものではあるが、立体十字架の余白を把握しつつ、より洗練された退廃美を目的地とする最善の道筋で彫り進めた結果として存在するひび割れであることを特筆しておく。

 

裏面には、手彫りでブランド名である「xCROWxNILxTAILxCOCKx」の文字彫りを施し、こちらにもデザインとしての無数のクラックをなぞってある。

フルオーダーペンダントトップ 逆十字 ワックス原型

 

尚、本作のワックス原型制作においては、珍しくハードワックスを使用した(バチカンはインジェクションワックス)。

 

そして、ワックス原型をシルバー925へと鋳造したものを研磨し、バチカンをろう付けする作業へ。

バチカンについては、トップのデザインが活きるようにシンプルなデザインのものを合わせた。

フルオーダーペンダントトップ 逆十字 Silver925

 

その後、燻し液によって全体を燻して完成。

総重量は57.7グラムで、悪魔崇拝リング同様に重量級の作品となった。

フルオーダーペンダントトップ 逆十字 Silver925

フルオーダーペンダントトップ 逆十字 Silver925

 

フルオーダーペンダントトップ 逆十字 Silver925

太陽車輪のブランド刻印と、マテリアルであるSilver95を表す「925」の刻印も打刻。

 

古びた印象で、良き退廃感が具現できたと思う。

日々の着用によって、摩擦による燻し面の剥離や自然な硫化反応などが積み重なれば、更にコンセプトに相応しい様相に仕上がっていくと思う。

 

ちなみに、燻し工程において、当ブランドではいつも「黒化液」という燻し液を使っている。

同じ化学変化(硫化)を促す燻し液でも、メーカーによって仕上がりの色合いは異なり、黒化液は特有の上品なアッシュカラーが出るので、近年のxCROWxNILxTAILxCOCKxではこの燻し液を採用している次第。

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逆十字というシンプルな悪魔的シンボルについては、for DEVILと銘打つ当ブランドにおいても非常に興味深いモチーフである。

神聖な印象のある十字架も、サタニックに印象付けられた逆十字も、元を辿れば派生は同じであると捉えているが、これらのモチーフについては、今後当ブランドでも知識を集めコンセプト展開を深めつつ理論的な創造を実現していきたいと考えている。

 

ちなみに、xCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVIL(Official Website)の次回発表予定の作品も、クロスをモチーフとしたものとなる。

そちらについては、現在まだ未完成であるが、販売準備が整い次第こちらでも紹介する所存につき。

 

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著/臣咲貴王



悪魔崇拝者に関するフルオーダーリングの創造報告

合間を縫って制作していたフルオーダーリング。

約半年の制作期間を経て、この度ようやく完成に至った。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925 K18

 

本作は、「悪魔崇拝者」という題材の下に承ったフルオーダーのリングである。

フルオーダーということで、つまりこの世に二つと存在しない指輪となる。

 

オーダー時のメールにて、先方から受けたデザインコンセプトは以下の様相。

  • テーマは「悪魔崇拝者」
  • メインモチーフは「目」
  • サブモチーフは「逆五芒星」と「ヤドリギ」
  • 使用素材はシルバー925(より良いものへと昇華させるためにK18の使用も可)
  • 縦4センチほどで重量感のあるリング(目安は60グラム以上)
  • リングの腕部分から裏側に及ぶまでデザインを施す
  • 繊細さよりも日々の酷使に耐え得る頑丈さを重視

 

以上の文字情報からデザインを練り、完成したワックス原型がこちら。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 ワックス原型

 

メインモチーフである目を造形の核としてストレートに表現しており、中東的なテイストを含むデザイン様式となった。

リングサイドには、サブモチーフの逆五芒星をあしらい、逆サイドには、その逆五芒星を象徴するサタン(バフォメット)の姿を山羊の頭蓋骨で表現し、悪魔崇拝者という題材にスパイスを加えた。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 ワックス原型

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 ワックス原型

 

当ブランドでは、ロストワックスの技法による作品制作が主軸となっており、このワックス原型を完成させるまでの作業が最も過酷であるといえる。

今回は特に、オーダー時に具体的な文字情報は得たものの、造形自体の具体性についてはこちらの想像力が主体となる依頼内容であったので、それに伴って生じるプレッシャーに対し、いかに説得力のあるコンセプトと創造性の融合を成し遂げるかが自己の課題となった。

 

そして、完成したワックス原型は、例によって専門業者に外注し鋳造。

 

鋳造工程から上がってきたものがこちらである。

偶然にも、所持していた石膏の頭蓋骨の眼窩部分にちょうど収まるサイズとなった。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925

 

通常ならば、ここから研磨作業、使用金属を証明するための刻印の打刻、燻し工程、そして仕上げを経て作品完成となるが、今回はもう一工程を追加することとした。

メインモチーフである目の虹彩部分に、K18を使用することにしたのである。

 

こちらは、虹彩部分にはめ込むために制作したドーナッツ型の18金パーツ。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 K18

 

凹状に彫り込んだ虹彩部分の窪みに、この18金パーツを埋め込んでろう付けすることによって、よりリアリティのある瞳の実現を果たした。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925 K18

 

ここで、悪魔崇拝と目について言及。

メインモチーフに用いた目は、いわゆる「第三の目(サードアイ)」を表現している。

これは、ご依頼いただいた「悪魔崇拝者」というコンセプトを一種の能力開発として捉え、常人にははかり知れることのできない高次の能力を追求する者として位置付けたものである。

そして、リング裏側(目のデザインの裏面)には、松ぼっくりのような彫刻を施してあるが、これは、第三の目の覚醒を司るとされる「松果体(しょうかたい/ホルモンやメラトニンの分泌を司る脳の内分泌器)」を表現した造形となっている。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925 K18

 

また、悪魔崇拝という視点から捉えた本作における目というモチーフは、エジプト神話から生まれた概念である「ホルスの目」にも対応している。

左目の形状であることから、月を象徴する「ウジャトの目」を表していることになる(右目は「ラーの目」で太陽の象徴)。

このホルスの目は、悪魔崇拝のシンボルの一つでもあり、イルミナティやフリーメイソンに関わりの深いシンボルである「プロビデンスの目」にも直接的な繋がりを持つ象徴的モチーフである。

 

完成品。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925 K18

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925 K18

 

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925 K18

頭蓋骨で表現したバフォメットの額部分には「逆十字」を刻んである。

この逆十字は、ワックス原型の完成報告後に、先方からのご要望によって加えたデザイン。

 

また、リング周囲には、逆五芒星と同じくサブモチーフであるヤドリギの彫刻を散りばめており、リング全体のデザインバランスを整える役割を果たしている。

フルオーダーリング 悪魔崇拝者 Silver925 K18

 

総重量74.1グラム(内K18は0.6グラム)の重厚なリングとなった。

 

ここで、リング正面に視点を戻し、リングの上下を這(は)っている二匹の蛇の造形について言及しておく。

蛇については、先方からの指定モチーフには入っていなかったが、ワックス原型のモデリング過程において、デザインを完成へと導くために必然的に呼び寄せられてきたものである。

 

この二匹の蛇に関しては、ヨーガにおける「クンダリーニ」の概念を取り入れたもので、いわゆる人体の覚醒を司る媒体として象徴的に用いている。

クンダリーニの簡潔な概要としては、人体の情報体の脊柱に沿って存在する管を通して、エネルギーを下から上昇させることによって覚醒に至るという思想である。

このエネルギーを上昇させる経路としての管は三本あるのだが、この管が蛇に結びつくこととなる。

まず、三本中の一本はスシュムナーと呼ばれ、主軸となる管である。

そして、そのスシュムナーに絡みつくように螺旋状に交差しながら上昇する二本の管(イダ、ピンガラ)が存在するのだが、この二本の管のメタファーとして二匹の蛇は機能しているのだ。

 

尚、上記で解説したリング裏の松果体は、上昇したエネルギーの最終的な到達点として定めたものでもあり、いうなればスシュムナーの先端である。

 

また、蛇というモチーフには神聖なイメージがあるが、反対に悪魔的なイメージも我々の潜在意識には強く染みついており、本作において陰陽の二元性を示すシンボルとしても機能し得るだろう。

そして、そこには当ブランドxCROWxNILxTAILxCOCKxが提唱するブランドコンセプトである相反する概念が一つとなった完全性を示すものとしてのファンクションも内包されている。

 

以上を悪魔崇拝者という題材の下に私が下した一つの結論とし、今回のフルオーダーリングの作業報告とさせていただこう。

 

尚、次回記事では、同時に承ったもう一つのフルオーダー作品について報告する。

 

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高造形度を誇るフルオーダースカルリング完成

この度、フルオーダーで受注を承っていたスカルリングが、以下の様相で無事完成に至った。

フルオーダー シルバー925スカルリング ブルートパーズ

 

本作は、悪魔的スカルリング「BINAH」ワックス原型を母体として制作したSilver925製スカルリングとなる。

 

こちらは、造形成形後のワックス原型。

フルオーダースカルリング ワックス原型

 

シンプルな顎なしデザインのスカルで、着用したときのサイズ感は下画像のような具合となる。

正面から見て、縦は約2.7センチメートル、横幅約2.3センチメートルの大きさとなっており、当ブランド最大サイズを誇る宇宙一のスカルリング「GEBURAH」ほどではないものの、リングとしてはラージサイズのカテゴリーに分類されるだろう。

フルオーダースカルリング ワックス原型

 

そして、オーダー要項である右目へのブルートパーズの石留めを施すために、右眼窩へ石座を制作。

フルオーダースカルリング ワックス原型

 

ワックス原型完成後は、キャスト専門業者に鋳造工程を外注。

 

そして、地金(シルバー925)として上がってきたものを研磨し、最後に、爪留めの技法によってブルートパーズの石留め作業を遂行し、フルオーダースカルリングの完成となった。

フルオーダー シルバー925スカルリング ブルートパーズ

フルオーダー シルバー925スカルリング ブルートパーズ

フルオーダー シルバー925スカルリング ブルートパーズ

フルオーダー シルバー925スカルリング ブルートパーズ

 

マテリアルであるシルバー925表面の仕上げは鏡面仕上げとなっている。

当ブランドxCROWxNILxTAILxCOCKxのブランドイメージが、18金硫化銀を主要マテリアルとするニューライン「for DEVIL」(Official Website)に移行したことで、このように鏡面に磨き上げたオーソドックスなシルバー925の輝きには違和感すら感じてしまうところではあるが、本作では、シルバーリングとしての秀才的な佇まいが実現できたと思う。

 

フルオーダー シルバー925スカルリング ブルートパーズ

リング裏に至っても骨格標本に忠実な造形度を維持。

 

フルオーダー シルバー925スカルリング ブルートパーズ

リング内側には、当ブランドのアイコンである太陽車輪の刻印、そして、マテリアルであるシルバー925を示すための「925」の刻印を打刻してある。

正確な総重量は30.3グラム。

 

本作の母体となった「BINAH」における頭蓋骨自体の造形に関しては、個人的にも高い完成度で表現できたと捉えており、その造形感をこちらのフルオーダースカルリングにも忠実に反映させることができ、満足度の高い仕上がりとなった。

 

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陽編 ~光エネルギー増殖炉としてのゴールド~

人類史上の金(ゴールド)は、我々、そして彼らを最も魅了してきたマテリアルではなかろうか。

 

シルバー(硫化銀)について世界観を示した前回の記事に続いて、今回は、当ブランド現行ラインxCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVILのもう一つの重要マテリアルである「ゴールド(K18)」についての独自理論を述べておきたい。

 

まずはじめに、当ブランドで使用しているゴールドは、「K18イエローゴールド」である。

つまり、純金の含有率が24分の18で、残りの24分の6は、装身具としてのゴールドの耐久性を上げる目的として、銀と銅を割り金としてそれぞれ6(銀)対4(銅)の割合で混ぜ合わせた合金となる。

この18金イエローゴールドは、現代の宝飾業界の主流となっている貴金属であり、流通する金製品のほとんどがこのK18である。

異端を信条とする当ブランドではあるが、金の信頼性においては、長いものに巻かれる形でこのK18という貴金属を作品素材として採用しているのが現状だ。

 

では、本題に入ろう。

硫化銀が持つ暗色の機能によって造形に保存された光エネルギー。

そのエネルギーを外界に対して有効利用するために最も適した素材がゴールドであると、xCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVILの世界観では捉えている。

 

占星術等において、ゴールドは太陽を象徴する金属であるとされている。

また、太陽エネルギーの伝導としての側面を持つ自然金は「地中の太陽」と形容されることもある。

そして、古代より不変の価値と美しさを持つことから、富と権力の象徴として人類史に君臨し、人々はその巨大なパワーの下にひれ伏し続けてきたのである。

対照的に、銀(シルバー)は月を象徴する金属とされているが、太陽光を浴びて輝く月の性質からいっても、人類にとっての金と銀の密接な関係性は、地球における太陽と月の関係に通じるものがあるといえよう。

 

さて、より熱伝導率の高いシルバー(硫化銀)によって集められた物質世界の光エネルギーは、闇の側面を持つ造形自体のコンセプトの中に溶け込み、歪なエネルギーとして蓄積される。
そして、そのエネルギーは、次にゴールドに伝導することで大きな変容を遂げることとなる。

ゴールド自体が持つ陽の波動が、シルバーの持つ陰の波動を受けたエネルギーに影響することによって、均衡状態をもたらすのである。

ゴールドの影響でバランスが整えられたエネルギーは、まるで核融合によって莫大な力を生み出す太陽のように、その核融合的要因によって増殖し、より大きなエネルギーとなってゴールドの放つ輝きと共に空間へと再放射される。

つまり、当ブランド作品の着用者はそのパワーの恩恵を直接的に受け取ることが可能となり、これこそが、xCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVILが全ての悪魔に向けて提供し得るベネフィットなのである。

 

陰と陽の質を統合させることによって生まれたこの偉大なエネルギー。

その輝きは、闇を照らす月や太陽のように、問題として分離していたあらゆる要因を解決へと導くための新たな視点を見いだすための光となるのだ。

この一連の流れの中にこそ、xCROWxNILxTAILxCOCKxというブランド名の真髄が秘められているといえるだろう。

 

以上のコンセプトは、あくまで情報世界に原点を持つものである。

しかしながら、例えば我々の精神状態が天候に影響を受けるのと同じように、物理的な現実世界の捉え方は内的世界の認識に依存しているといえよう。

よって、当ブランドが提唱する上記のベネフィットは、いとも容易く現実世界に反映するのであって、それによって拓けた未来こそが、創造責任者として私個人が要求する世界であるともいえるのだ。

xCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVIL(公式ウェブサイト)

 

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