有刺鉄線スカルネックレス「BETHLEHEM BLOODLUST」地獄の制作工程

当ブランドのニューラインであり、今後のブランド展開におけるメインラインでもあるxCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVILが生み落とした有刺鉄線スカルネックレス「BETHLEHEM BLOODLUST」。

今回は、このネックレスがどのような過程を経て制作されているかについて書き記していく。

いかに全身全霊を以ってこのネックレスが創造されているか、少しでも知っていただきたいという思いから、記事の執筆に至った次第である。

 

では、制作開始。

ちなみに、この記事は、必要な全ての貴金属パーツの鋳造工程が終わっている前提で書き進めていく。

 

始めは、有刺鉄線を彷彿とさせる刺々しさに満ちたチェーン部分の制作から。

上画像の環状のSILVER925パーツを60個ばかり机上に広げ、その全てを一つずつヤスリ、紙ヤスリを駆使して手作業で磨いていく。

この作業は最初の山場ではあるものの、この先に待ち構える地獄の工程に比べればほんの前戯であるに過ぎない。

 

次に、成形し終わった環パーツを全てチェーン状に組んでいく。

 

60個全てのパーツを繋ぎ終え、チェーンが仮完成したら、いよいよメインイベントの発生。

BETHLEHEM BLOODLUST制作工程の核となる作業、チェーンのろう付け(鑞接/ろうせつ)である。

ろう付けとは、環パーツの切れ目を鑞(ろう)で封鎖するという、溶接に似た作業であり、この作業を施してこそチェーンは完全なるチェーンとなるのだ。

 

まず、パーツの切れ目部分に、酸化防止のためのブルーフラックスを塗布し、そこに微細に切り刻んだ銀ろうを2、3粒乗せる。

 

 

そして、ハンドバーナーを使って、シルバーが融けないよう気を配りながら全体を熱し、鑞だけを溶かして、環の切れ目と切れ目の間に鑞を流し込む。

 

 

この工程を60回ループし、全ての隙間を駆逐していくわけである。

このネックレスの「地獄の工程」たる所以は、気のめいるようなこの60箇所以上に及ぶろう付け作業の中に凝縮されている。

シンプルな丸環のチェーンであれば、全てのパーツに鑞を乗せて一気にろう付けすることもできるのだが、このBETHLEHEM BLOODLUSTは、構造上の問題もあり、一つずつ地道にろう付けしていく方法が最善策なのだ。

 

ろう付け地獄を制覇した後は、15分ほど希硫酸に浸して酸洗いを施す。

その後、ブラシを使用して、流水と共に重曹(炭酸水素ナトリウム)で磨いて酸化皮膜を剥き、その銀肌を更に磨き上げていく。

この作業さえクリアすれば、あとの作業はウィニングランのように爽快なものである。

 

完成したチェーンに、その他のパーツとK18のスカルを組み、同じくろう付け。

 

そして、完全に磨き上げて、最後にシルバー925の部分を燻し液で黒く燻す。

 

 

これにてようやく、「BETHLEHEM BLOODLUST」の誕生となる。

 

アクセサリー制作におけるネックレスのチェーンには、一般的に、マシンメイドの既成チェーンを使用することが多い。

しかし、xCROWxNILxTAILxCOCKx for DEVILの作品に関しては、ブランドの信念の込もったハンドメイドの価値を重要視し、今後も全てのチェーンにおいてハンドメイドでの制作をモットーとしていきたいと考えている。

この記事を通して、ハンドメイドのチェーン制作がいかに労力を要するものであるかについて、僅かでも伝わったならば幸いである。

 

また、今回紹介した「BETHLEHEM BLOODLUST」のご購入は、公式オンラインショップをご利用くださいませ。

 

以下はブログランキング。

にほんブログ村

 

著/臣咲貴王

Tags: K18Silver925スカルネックレス