神秘的スカルリング「IESOD」で語るシルバーアクセサリー業界の今

神秘的スカルリング「IESOD」

メンズシルバーアクセサリー業界では、もはや一つのカテゴリーとして成立している、ホモ・サピエンスの頭蓋骨をモチーフとした「スカルリング」というジャンル。

主に、ロックカルチャーを広告塔とする売り出し戦略で、メンズシルバーアクセサリーのメインモチーフとして君臨している題材である。

 

しかしながら、2016年現在にみるこのスカルリングという存在の需要は、おそらく、2000年代前半から徐々に縮小傾向にあるというのが、私の個人的な見解だ。

時代を同じくして、ジュエリー業界における購買需要も、高品質ないわゆる「ジュエリー」と呼ばれるものより、低価格帯の「アクセサリー」の消費が中心となる波が押し寄せているように感じる。

 

ちなみに、英語で「宝石、貴金属装身具」を意味するジュエリー(Jewelry/Jewellery)に対して、アクセサリー(Accessory)は「服飾品、装身具、付属品」という意味を持っており、例えば、バッグなどもアクセサリーに含まれる。

日本国内の一般的共通意識では、金やプラチナ、宝石をマテリアルとする装身具を「ジュエリー」、銀を使用した装身具は「シルバーアクセサリー」という呼称で別個に認識されているが、本来、貴金属である銀をマテリアルとするシルバー装身具も、是非ジュエリーとしてカテゴライズしておきたい存在である。

とは言え、2016年6月現在、1グラム当たりの価格相場に約70倍の差がある金と銀を比較すると、同じ括りで扱うことに対して多少の違和感は禁じ得ないが。

 

ジュエリー業界の話に戻って…

現在においては、その傾向が更に顕著に現れており、貴金属や貴石といった希少マテリアルと高い彫金技術をふんだんに取り入れたジュエリー産業は、もはや波に呑まれた過去の遺産であるかのように閑散とした陰気に沈み、消え去りつつあるブランド志向の足跡と共に時代の片隅に取り残されているのである。

 

ちなみに、当ブランドxCROWxNILxTAILxCOCKxの旗上げは2011年4月。

同年3月の東日本大震災によって、それまでの景気低迷に拍車をかけるように消費意識の透明度が高くなり始めた時期に、当ブランドは活動を開始した。

そんなxCROWxNILxTAILxCOCKxの処女作として吐き出された作品が、神秘的スカルリング「IESOD(イェソド)」である。

神秘的スカルリング「IESOD」

 

当時の私が、それまでに積み上げた造形技術の集大成として制作したIESOD。

頭蓋骨モデルを参考に、造形美と精巧さに拘って、精細な表現を目指したスカルリングである。

 

IESOD(イェソド)は、古代のユダヤ思想であるカバラの「生命の樹(セフィロト)」から引用したタイトルであり、「基礎、基盤(foundation)」を意味する。

xCROWxNILxTAILxCOCKxの理念の土台となるべく制作されたこのスカルリングに相応しいタイトルとして、この名を与えた。

神秘的スカルリング「IESOD」

 

一般に名を上げて流通するスカルリング群に対し、造形面で上回ることを目標として制作されたIESODは、眼窩や縫合線、歯の本数に至るまで、忠実な再現に向けた努力を惜しむことなく注いでいる。

そして、仕上げを燻しではなく、敢えて白仕上げにすることで、素材であるSilver925の造形そのものをより深く愉しめるように、一つのアイデンティティとしての付加価値を施している点が、他のスカルリングとは違った印象を与えているはずだ。

神秘的スカルリング「IESOD」

 

現在、xCROWxNILxTAILxCOCKxは、ニューライン「for DEVIL」の発動準備中である。

こちらのラインでは、上記に通じるジュエリーの要素である金(ゴールド)に焦点を合わせ、シルバー業界とジュエリー業界の間に設置されたパーテーションを取り除くような創造を実現していきたいと考えている。

ブランドに新たな息吹を吹き込む感覚が、IESODを制作していた当時の高揚感とオーバーラップしたもので、改めてこのスカルリングについて記させてもらった次第。

 

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著/臣咲貴王



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